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※バックナンバーです。

Sラボ先生 急性期・回復期・地域包括・教育分野・研究分野など 幅広いST領域で実務をこなしてきたベテランST
「ぴえーん現象?」 こんにちわ。Sラボ先生です。 つい先日、久しぶりの実習生が実習期間を満了されました。 “無事に実習を終了されました”だと、 「Sラボ先生、ホントは鬼ラボ先生じゃね?」 となっても困りますので・・・笑。 (ちなみに鬼滅の刃では、コクシボウが推しメンです。) 実習生が来るといつも初心にかえる事ができますよね。 さて、前回は、STあおいさんより、喚語困難のお話がありました。 失語症の最もメジャーな症状であり、失語症を定義する上で最も大切な症状ではないでしょうか。 がしかし、がしかし・・・ 「何が想起されていないの?」問題があります。 「どこまで想起されているの?」問題と置き換えても同じです。 私たちでも、例えば海外のアーティストの名前とか馴染みが薄かったり、名前が長かったりすると 「ほら、何とかプレーと韓国のアイドルグループBPS?がコラボで曲を出したらしいよ」 とか 「タイラースイフト?、テイラースイプト?、あ、テイラースイフトに最近はまってるんだよね」 とか これらの例は、喚語困難とは呼ばないのでしょうか?? これは非常に難しい問題だし、大切な問題です。 ティップ・オブ・ザ・タン現象(Tip of the tongue現象) ( T O T )現象と書くこともあります←ぴえーん現象じゃないよ。 今回は、このぴえーん現象を紹介します、笑。 定義は、言葉を思い出そうとすることが、 「喉まで出かかっているのに思い出せない」現象、だそうです。 「え?喚語困難じゃね?」と思った方、正解です。 それでは、私たちと失語症者の方の喚語困難をどう見分けたらよいでしょうか? それは、言葉の馴染みの違いにより出現するかどうか、ではないでしょうか。 すなわち、頻度や親密度の問題です。 TLPAやSALAといった失語症の掘り下げ検査でよく耳にする用語です。 ※今回は触れませんが、( A O A )(言語獲得年齢)ってのもあります。 SLTAでいうと、 “猫、鉛筆、本、犬、時計、ご飯、太鼓、山、新聞、、、、” ↑ここまでは、記憶頼り?順番あってますか? これらの語がわかっているのに表出できないと、さすがに障害的ですよね。 しかし、 コールドプレーやBTS、テイラースイフトが正確に表出できないのは、あり得ますよね。 これらは、ある語に対して、普段の生活で馴染みがあるかどうかが問題になります。 だし、ある語の馴染みには個人差があります。 高校時代に、ローマ時代の五賢帝である“マルクス・アウレリウス・アントニヌス”をテストで回答した時の感動は忘れません、笑。私にとっては、ネタ的に高頻度語にあたり、スッとでてきます。 なので、喚語困難に出会ったら・・・ まず、感覚的にその人にとって馴染みがどの位あるか?を考えてみる。 そして、大切なのは健常値と比較することかなと思います。 TLPAやSALAでは、健常平均値が出ていますよね。 その値よりも、言葉の出がわるければ、障害的な喚語困難と考えられる訳です。 実は書き始めには、錯語について書こうと思っていましたが、 気が付いたらTOT方面になっていました。 錯語については、機会があったときに。 では、また。