Q.指示が入らずどんなリハビリをすれば良いか分からない。
- 2025年11月27日
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A:「指示が入らず、どんなリハビリをすれば良いか分からない」こと多くありますよね・・。
認知症の方の場合、研究やガイドラインでは、
“口頭指示に従わせるリハビリ” ではなく“指示に頼らないリハビリ” を設計すること
が推奨されています。
(ASHA Dementia Care Guideline / 認知症リハビリテーションに関するレビュー など)
なぜ「指示」が入りにくいのか?
認知症では、
聴覚的理解(ことばの理解)
注意の持続
ワーキングメモリ(聞いたことを一時的に覚えておく力)
が低下しやすく、
「話して → 理解して → 覚えて → 動く」
という “ことばベースの4ステップ” がとても負担 になります。
そのため、口頭指示だけでのリハビリは限界があるとされています。
代わりに有効とされる方法
最近の文献やガイドラインでは、次のような方法が推奨されています。
① 口頭指示より「環境・きっかけ(cue)」を変える
物を目の前に置く
手をそっと添えて一緒に動き始める(ガイド付き開始)
見本を見せて「まねしてもらう」
など、“見て分かる・体が勝手に動く” 仕掛け を使います。
→これは「外的手がかり(external cues)」と呼ばれ、認知症リハの研究で口頭指示よりも成功率が高いと報告されています。
② エラーレスラーニング(Errorless learning)
なるべく「失敗させないように」ヒントや手がかりを多めに出して、
成功体験を繰り返す
やり方です。
認知症の方は「間違いから学ぶ力」が低下しやすいため、間違いを修正する練習よりも、“最初からうまくいくように支援の量を調整する” 方が習得しやすいという研究が多数あります。
③ 課題は「短く・一つだけ」
「○○して、そのあと△△して…」と2ステップ以上の指示は難しくなりがちです。
文献でも、1ステップの課題を繰り返す方が定着しやすいとされています。
例:立ち上がるだけ/コップを口に運ぶだけ/歯ブラシを口に入れるところまで…など
④ 本人にとって「なじみのある動作」を使う
認知症の方では、新しい動作よりも昔からやってきた “なじみのある動き・生活行為” の方が自動的に出やすいと多くの研究で示されています。
なので、
体操だけより「洗濯物をたたむ」「テーブルを拭く」
口腔ケアだけより「洗面台に一緒に行き、なじみの歯ブラシやコップを使う」
といった形で、意味のある動作・作業の中にリハを埋め込む のが有効とされています。

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