Q認知症の方で、水分をとらない人、食思がない人、調整した義歯をつけたがらない人が多いのでアドバイスが欲しいです。
- 2025年11月27日
- 読了時間: 3分
A:① 水分をとらない方へのポイント
認知症では、
喉の渇きの感覚が弱くなる/忘れてしまう
自分から「飲もう」と始める力が落ちる
ことが知られており、“本人まかせ”では脱水になりやすいとされています。
研究では、次のような行動・環境介入が比較的一貫して有効と報告されています。
少量を、回数多く提供する
食事のときだけでなく、
朝起床時
10時・15時のお茶の時間
服薬時など、**1日に5~8回の「決まったタイミング」**で声かけ+提示。
選べるようにする
水・お茶だけでなく、好みの飲み物(ジュース・スポドリ・牛乳など)から**2種類程度を「選んでもらう」**と摂取量が増えた報告があります。
高水分の食べ物も「水分」としてカウント
ゼリー、フルーツ、具だくさんの汁物、アイス、プリンなど。
飲むのが苦手な方は「食べられる水分」を増やす方がうまくいくことも多いです。
見た目と置き場所の工夫
目立つ色のコップやトレイ(赤いカップ・トレイなど)を使うと、「飲み物」に気づきやすくする試みが報告されています。
② 食思がない方へのポイント
食欲低下は、
認知症そのものによる 食欲中枢の変化
うつ、不活動、便秘、薬の副作用、疼痛、口腔内の痛みなど
さまざまな要因が複合して起こるとされています。
研究・ガイドラインからは、次のような対策が推奨されています。
まず「原因チェック」をチームで
うつ状態、便秘、疼痛、服薬、口腔内トラブル(疼痛・カリエス・義歯不適合など)→ 医師・看護・歯科と共有してもらうだけでも、対応が変わることがあります。
量より“回数+エネルギー密度”
3食が難しければ、少量×5~6回に分ける
お粥+おかず少量…よりも、
エネルギーの高いおかずやデザート
栄養補助飲料を間食でうまく使う方が、総摂取カロリーが増えやすいとされています。
食卓の環境調整
テレビ・騒音を減らす
目の前には 料理と最低限の食器だけ
他者と一緒に食べることで摂取が増えるという報告も多いです。
少し動いてから食事へ
軽い散歩・移動・体操などの軽い運動は食欲アップにつながるとされます。
③ 義歯をつけたがらない方へのポイント
長期療養・介護施設の研究では、
認知症が重いほど義歯を使わなくなる割合が高い
うがいなどの口腔機能低下も「義歯非使用」と関連する
ことが報告されています。
一方、日本の施設入所高齢者のデータでは、義歯を装着している方の方が、普通食/より固形に近い形態を維持できている という結果もあり、「つけられるなら栄養・食形態の面でメリットがある」ことも示されています。
ガイドラインやレビューからは、次のような対応が勧められています。
まず“痛みや不快のサイン”を疑う
食事やブラッシングを嫌がる/硬い物だけ拒否/顔を触る・こする…などは、口腔痛のサインとされています。
一度、歯科(訪問歯科)の評価を依頼し、義歯の適合・口内炎・カリエス・圧痛部位の有無を確認してもらうことが大切です。
時間とタイミングを工夫
朝一番は疲労・混乱が強く拒否が出やすいことも多く、→ 比較的落ち着いている 午前10~11時台 など、「その人の安定しやすい時間」に短時間だけ装着を試す、という報告もあります。
ステップを細かくする
いきなり「つけましょう」ではなく、
手に持って触る
鏡を見ながら口元に近づける
数分だけ装着してすぐ外す…のようにスモールステップで“慣れ”をつくる方法が、口腔ケア介入でも推奨されています。
どうしても拒否が強い場合
無理に装着させようとすると、BPSDの悪化や口腔ケアそのものの拒否にもつながるため、→ その場合は
ソフト食/きざみ・ムース等、義歯なしでも安全に食べられる形態
口腔清掃を最優先(歯肉炎や痛みを減らす)にシフトし、「栄養+口腔の清潔+本人の安心」のバランスを取ることがすすめられています。

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